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  • Writer's pictureMuses of a Herbivore

八瀬比叡山ー足を止めて休めよう

Updated: May 1, 2020


「春」 ― 桜の開花、世界中から注目する、日本の誇り季節。私も毎年その花が絵描いたような柔らかく繊細な風景を楽しみにしている。しかし、景色を赤く染める秋の紅葉の方が私にとって魅惑であり、心を惹かれる。


紅葉絶景と言えば京都を考え付くだろう。とにかく私はそう思う。秋に心を寄せた原因はまさに京都だったからだ。


そして、紅葉の名所のなかでも「瑠璃光院」が間違いなく最も素晴らしい場所だ。


お兄さんは京都を訪れた時、有名な観光地全てに行くつもりだったが、私はあんまり興味がなかった。人込みがいやだったし、京都の名所も何回か行ったことがあったからだ。


しかし、お兄さんが八瀬比叡山の奥にある「瑠璃光院」という秋の展覧会を言及すると、非常に興味を惹かれた。


正直に言うと、興味を惹かれたのはその展覧会ではなかった。「瑠璃光院」の入館料は一人2000円で、どうしても気に食わなかった。でも新しい場所に行くのはいつも興奮を誘いてしまうし、八瀬比叡山口に行くのも結構大変だから人は少ないじゃなかなだと思った。


…しかし、それはとても外れた予想だった。



実際、「瑠璃光陰」は大変好評の展覧会であり、たくさんの人を惹かれた。そして期間限定だったから大変な人込みになった。私達は12時に着いた時点で、入館券はほぼ売れ切れて、最も早い入館券は15:20だった。


その時、二人とも結構がっかりした。でもわざわざここまで来て、今さら諦めて帰るわけがなかった。しぶしぶで4000円を渡して、どうやって次の3時間をつぶすのかを考えていた。


結局、私が比叡山に惚れ込むことになったのは、その三時間を過ごさなければならなかったからだ。心を落ち着かせる山の風景で、忙しい日程から離れて、悩むことを一旦忘れさせ、癒やされる時間を過ごすことができた。


その周辺にはカフェや休憩場などあんまりなかったため、屋台から団子とぜんざいを買って、川岸を降りて、川の真ん中にある石の上でゆっくりと時間を過ごした。


その時、パーっと気づいた。


今まで、いつもツアーを依頼することではなく自分で旅行に行った方がいいだと主張したが、実は私も効率性や実践性を追いかけてバッカリだったではないか。その結果、ほぼ毎日にくたびれ果てしまって、たまにどこにでも行く気がなくなってしまう。


しかし、穏やかな川の真ん中に座って、紅葉が空を舞うのを見て、熱くて甘くいぜんざいをすすりながら、旅行の価値を思い出した。


3時間が知らないうち飛んだとは言えないが、必要とされた一時停止だった。30分早めに展覧会の前に並び始めたが、この時点でもうすでに満足していた。


正直に言うと、「瑠璃光陰」がどれほど見事だとしても、一人ずつ2000円と三時間を払う価値には満たされないだろうだと思った。でも、山の静けさでゆっくり休めたから、例え展覧会がどうなっても気にしなかった。


…そして、自分がまだ間違えたことをその後明らかになる。


(続き)

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